まなび場ブログ

若い人たちとの対話

2018-01-01から1年間の記事一覧

率直に話す

「なんで不登校になったの?いじめられたの?」新しくまなび場に入ってきた初対面の子どもに、ずけずけと聞く子がいた。それは答えにくいことかもしれない、こんな配慮のない聞き方をして大丈夫か、僕は一瞬ひやりとした。でも、聞かれた子はいじめられた体…

先延ばし

小五のH君は宿題を先延ばしして、その時やりたいこと(友達と遊ぶ、YouTubeを見る、ゲームをする…)をやってしまう。結局、宿題をやらないままになり、先生に怒られる。H君はそのことをどう考えているのか、本人の発表を聞く機会(※)があった。「ママに、先…

好き嫌い

小学生だった時、家で、初めてトマトジュースというものを飲まされた。なんだか奇妙な味がして、「あ、まずい」という反応をした。その日から、1ヶ月ほど、僕は毎日トマトジュースを飲まされる羽目になった。好き嫌いがあってはダメという我が家の教育方針で…

がんばれないとき

子どもの自殺について、TV局が「まなび場」の若者にインタビューに来たことがある。苦しんでいる人に伝えたいメッセージを聞かれて、彼は「がんばりは、いらない」と述べた。 この若者は、中学生の時にイジメから学校に行けなくなり、体調にも変調をきたした…

「怒っているときに叱るな」

「親の機嫌が悪いと、余計に怒られる。理不尽だ」と言う人の話を聞いて、思い出したことがある。高校で教えていた頃、僕はある生徒をピリピリと怒った。すると、それを見ていた別の生徒が、すかさず「ユキさん、機嫌が悪いね!朝、夫婦喧嘩してきたんちゃう…

相手が見えていないとき

教員だった頃、授業中ふとしたきっかけで脱線して、雑談をすることがあった。話す筋道をあらかじめ考えていたわけではなく、生徒の反応に応じて話していくうちに、それなりにまとまった話になる。生徒の反応が良いと、別のクラスでも同じ話をしたくなる。と…

第三者がいる、ということ

僕がある子と生活態度について話し合っていると、「責めるような言い方になっていませんか」と横から声をかけてくれた子がいた。 そのとき、僕としては、責めるのではなく本人の考えを聞いているだけのつもりだった。だから、話し合っていた相手から同じこと…

気持ちが分かる

「人に気持ちが通じないって感じることある?」と若者達に聞いてみた。 すると、彼等の間でこんな会話になった。 「そもそも、気持ちが通じるってどういう感覚なの?」 「自分が笑ったら相手も笑うとか、そういうことじゃないの?」 「相手が自分と同じ気持…

悩む中で身についたものは何だろう

まなび場で若者3人がこんな会話をしていた。 「過去のうまくやれなかった時のことばかり考えてしまって、前向きな気持ちになれない」 「すんでしまったことを考えてもどうにもならないよ。それより、本とか読んでみたらヒントがあるんじゃないの」 「自分の…

自分にとっての“普通”

自分にとっては“普通”の感覚が、相手には全く違うということがある。 小学校の頃の思い出を話し合っていたとき、「子どもが書いた習字に、先生が朱で直しを入れるのに腹が立った」と言う若者がいた。わけを聞くと、「人の作品に勝手に書き込んじゃだめでしょ…

「今のままでいいって思わないと、変わらない」

「まなび場」(私塾・フリースクール)の中で自己中心的に振る舞う子がいて、周りの子達から注意されると逆に怒り出す。そんなことが続いた時、「あの子は、今のままでもいいってみんなが思わないと、変わらんわ」とつぶやいた若者がいた。聞いた瞬間、これ…

「分かって欲しい」

分からないから、対話をする 登校できなくてしんどい思いをしていた中学生が、こんな話をしてくれた。「『元気そうだし、もっと頑張れるんじゃないの』と先生に言われる。私はニコニコしているから、そう思われる。出来ないっていうことを分かって欲しい」「…