まなび場ブログ

若い人たちとの対話

「やりたくない」気持ち

「やるべき」と大人が考えていることを、それは例えば勉強することなどだが、子どもはやりたくない。こんなとき、子どもは、「やりたくない」という気持ちに負けてはダメだと言われる。本人の気持ちがどうであれ、やらないといけない。「やるべき」というの…

「出来ないことが出来るようになること、じゃないよ」

学生時代、福祉を学んでいた友人から「発達って、出来ないことが出来るようになることじゃないよ」と言われたことがある。どういう意味なんだろうか。もう何十年も経つのだが、ずっと引っかかっている 子どもが何かを出来るようにしていくことが教育だ、と考…

「どうして学校に行けないの?」

学校に行けなくなったことを「どうして?」と聞かれるのだけど本人もうまく答えられない、ということがある。 話は全く別なのだが、何かができなくて「なんでできないの?」と問うたり問われたりした体験は多くの人にあるのではなかろうか。で、問われた側が…

関心を育てる

子どもにできないことがあると、周りの大人は心配する。そして、できるようにしようとして働きかける。僕自身、数学を教えるとき、“できるようになること”を目指しがちだ。それは目標として分かりやすく、手応えも感じやすい。できると、子どもも嬉しい。次…

「好きが60%以上ないと」

やりたいことをやっているとき、人は生き生きとしている。 嫌だなあと思いながら、やらないといけないからやっていると、なんだか元気が出ない。僕も、明るい気持ちになれないときがあって、自分は本当は何がやりたかったのか、思い返してみた。そして、やり…

自分の気持ちを言えない

不登校を取材している人から、「どうして不登校になったのか子どもに聞いても、答えられない子も少なくない」という話を聞いた。ここには、いろいろな問題がからんでいると思う。 まず、答えられないのではなく、答えたくない、という場合がある。「学校で特…

“みんな”とは?

子どもが学校に行けなくなると、多くの親は不安を感じる。学校に行かないために人間関係が希薄になることを心配する人もいるし、進路のことを心配する人もいる。不安の中身は色々あるだろうが、突き詰めると、みんなが行っている学校に行っていない、みんな…

“ファスト教育”?

ファスト映画なるものの存在を、ある人が教えてくれた。 「映画を10分くらいに編集して、あらすじが分かるようにした動画です」 「え?それ、何の意味があるの?」 「まわりの話題についていくために知っとかなきゃって人が観るんでしょうね」 あ、これは学…

「記憶がなくなっちゃうんだったら…」

「いつか死んで記憶も全部なくなっちゃうんだったら、生きてる意味ないことない?」 ある若者からこう問われたので、 「今生きて何かを感じていることに、意味があるのでは。記憶が残ることに、ではなく」 と僕は応えた。死についてどう思うかは、人によって…

自分を疑う

「親の考えを押し付けられる」という話を聞くことがある。親と違う考えを言っても聞いてもらえない、と。僕も、「私の意見を最後まで聞かずに論破してくる」と若者から指摘されたことがある。 これは、僕たち大人が、自分の方が正しくて子どもはよく分かって…

「“半導体”になりたい」

ある中学生がこんなことを言う。 「私は“無”になりたい。ただ生きてるだけで許されたい。…友達は、“半導体”になりたいって言ってたな。何もしなくても役に立ってるって。半導体、いいなあ!」 “半導体”には笑ってしまった。突拍子もないような言葉で、うまい…

「期待に応えられなかった」

若者たちがこんな話をしていた。 「(うまくいかないことがあって)ずっと落ち込んでいた。親とも友人とも先生とも話をせず引きこもっていた。期待していてくれたのに、期待に応えられなかったから、合わす顔がないと思って」 「え?親はそんなことより子ど…

「自分に厳しくあたっています」

「自分に厳しいか」というお題で中学生達と話し合っていると、 「自分の行動には甘いです。努力したくありません!でも、心の中では、いつも自分に厳しくあたっています。心の中だけですけど」と冗談ぽく笑って言う人がいた。努力しないけど、そんな自分を責…

気持ちはどうでもいい?

若者達がこんな話し合いをしていた。 「やりたくないことがあるとき、どうする?」 「やりたくないことは、やらないなあ」 「学校に関することなら、やる」 「やりたいとかやりたくないとか、そんなこと考えたことなかった」 … やりたいともやりたくないとも…

「本の中には私はいないよ」

ある母親がこんな話をしてくれた。 思春期の娘が様々な困難から生きづらくなり、身動きが取れなくなっていった。母親は、いろんな人に相談したり、さまざまな会に参加してみたり、本を手当たり次第に読んだりしていた。そんな時、「お母さん、本の中に私はい…

「楽しいって分かんない」

若者が集まっていろいろ話し合っていたとき、こんな会話になった。 A 「楽しいってわかんない。トランプやってても楽しいって思わない。勝ったら嬉しい。」 B「わかるわかる。ゲームとかも達成感だよね。」 A「うん。やってる途中楽しいかっていうと...。」 …

「手軽な成功体験」

ゲームの魅力について意見を聞いてみたら、それなりにゲームと親しんできた若者がこんなことを話してくれた。 「ゲームは、手軽で確実に成功体験が得られますからね。現実だったら、A、B、…Zと手順を踏んでいかないと得られないものが、ゲームの中では、簡略…

問いを育てる

「大学で何を学びたいか聞いてみたら、自分はこれを学びたい、と言える生徒が多くて、意外でした」と、若手の高校教師が話してくれた。”意外“というのは、日頃のやりとりからは、高校生達が、何かに対して強い興味を持って自分で勉強したり考えたりしている…

「聞いても、答えてくれない」

「(思春期の)子どもに何を考えているか聞いても、答えてくれない」という声に対して、同じ親の立場から、「子どもが答えてくれないのは、子どものために聞いているようでいて、自分(親)が安心するために聞いているからじゃないかな」という人がいた。そ…

“中和してくれる人”

ある高校生が語ってくれた話。 「球技大会で、サッカーに出たんだけど。ゴール前で、わざとキーパーのまん前にボールを蹴ってしまった。勝ちたいという気持ちもあったんだけど、そうしちゃったんだよね。球技大会のゴールキーパーって、サッカーうまくない子…

「やればできる」?

「『やればできる』って言ってくる人いるけど、やってもできないんですけど」 「あの言葉、ホントに意味わからん」 中学生達がこんな会話をしていた。うーん。 僕も、「やればできるのに」と思うことはある。それは、子どもに数学を教えてみて、その人がきち…

我“慢”

子どもは、我慢することを常に求められる。確かに、我慢がきかないと社会生活が難しいことがある。でも、我慢ばかりしていると、その人の生き生きしたものが失われることもある。 我慢についていろいろ考えていたとき、新聞のエッセー*1で、我慢という言葉は…

納得できなくてもよい?

ある中学生が、納得できない校則について疑問を言ったら、「信号は守らないといけないでしょう、それと同じ」と先生に説明されたと言う。信号を守らないと危険や混乱が生じることは誰でも納得できるから、納得できない校則を守ることとは全く話が違うのだが……

「子どものため」

親から意見されるとき「あなたのために言っている」と言われるのが嫌、という話を聞くことがある。押し付けがましく感じるのだろう。親と子どもとは別の人間なのだから、親が「あなたのため」と思っていても、子どもにはそう感じられないことだってある。親…

自分で考える

「ギターとベースをやってます」いう中学生に、「習ってるの?」と聞くと、首を横に振って「弾き方を人から教えられるのはイヤなんです」「いい弾き方を自分でみつけたいから、いろんな人の演奏を動画サイトで見て研究してますよ」という。人から教えられる…

「興味が持てない」

「学校の勉強には興味が持てない」という声をよく聞く。 勉強なんてそんなものだ、興味に関係なく頑張らねばならないのだ、と思う人もいる。一方、教師に聞けば、興味は大切だと言うだろう。でも、学校で興味は本当に大切にされているだろうか。 僕が学校で…

子ども同士の関係が持つ力

ゲームを一旦やり始めると、話し合いの時間(ゲームは切る約束になっている)になっても、まわりの子からやめるよう言われても、やめようとしない子がいた。みんなから言われ続けて最後には渋々ゲームを切るのだが、次の日もまた同じことを繰り返す。そうい…

「自分のホンネを自分で分かるか」

どうすれば人とホンネで話せるか、高校生達と話し合ったことがある。 「ホンネを言えなくてストレスがたまる」「ホンネを言うと、かえって、相手からの反応でストレスがたまる」などという話が出ているとき、一人が「一番大きいのは、自分のホンネを自分で分…

「手を挙げるようにしたら、成績が下がった」

ある中学生が、小学生の頃のことを話してくれた。 「テストの点が良かったのに成績が良くなかった。宿題も出してたし、なんでかなあ、って分からなかった。授業中に全然手を挙げなかったからだって、あとから気づいた」 「みんなが手を挙げているとき、僕は…

“要点”を押さえればいい?

若者達がこんな会話をしていた。 「どのくらい読み込めば、この本を“読んだ”といえるんだろう」 「要点が分かってたら、いいんじゃないの」 それはちょっと違うのでは、と思いながら聞いていたのだが、でも、僕もそんな風な読み方をしてきた、とも思いあたる…